おやすみ、銀次郎。
2025年1月18日、ロボロフスキースノーホワイトの銀次郎が永眠いたしました。
2月生まれだったので、1歳11ヶ月。2歳まであともう少しでした。
8月の記事から5ヶ月も経ってしまいましたね;
色々あって、書こうと思いつつ、時間的な都合だったり、気持ち的な都合で書けないこともあり。。。
今日はなかなかきちんと伝えてこれなかった銀次郎のこれまでもご報告しつつ、お別れのこと、話そうと思います。
******************
銀次郎「ねえ!この砂ってやつ、なにー!?気持ちいいね!」
銀次郎が我が家にやってきたのは、去年の4月半ば。
ペットショップで見つけた1歳2ヶ月の売れ残り。
この日ハムを迎えるつもりはなかった。
ただ2年半ぶりに新ハムを、GWあたりにブルーサファイアのベビーちゃんを迎えたいと、確かな計画は持っていた。
ペットショップに入ったのは別の用事の時間潰しで、あわよくばの下見。
入荷直後か店内には若々しいたくさんのベビハムずがいっぱいいた。ブルサファもね。
そんな中で目に留まった、ものすごいセールタグの貼られた、売れ残りの白いロボロフスキー。
それが銀次郎だった。
入荷から1年以上経っており、ケージを半分に区切った狭い空間で、ホイールも砂場もない環境におかれていました。
その身の上を不憫に思い、たまらなくなり、悩みに悩み、ブルサファ計画はなしにして、同じ状況だった吹雪とまとめて出会ったその日のうちにお迎えしました。
銀次郎は1歳のわりには既にちょっとじじハムみがあって、しかも胸元に脱毛があって、(ウッドチップアレルギーの名残りかも、とのこと)お迎え当初からすでにハンディキャップを抱えていた。
決断はしたけど、実を言うとちょっと不安もあった。
ここまで成長しきってしまったハムちゃんをお迎えするのは初めて、それも2匹!
しっかり愛情を注げるだろうか?ちゃんと幸せにしてあげられるだろうか?
だけど我が家にきて初めて砂場を使った銀次郎が、それはそれはもう大層にはしゃぎ砂が気に入り、何度もゴロンゴロンと砂浴びをしまくっていたのをみて、心から「うちに連れてきてよかった」と思えた。
ほどなくして脱毛がやや改善したときには、これまで衛生的に身体をメンテできなかったのが原因だったんだなあ、なんて思ったりね。
これまでハムスターらしい生活を送ってこれなかった分、とにかくうちで楽しく暮らすんだぞー!って。
そんなスタートでした。
銀次郎「ホイールってすごいね!ぼくこんなに思い切り走ったことないよ!」
銀次郎「おうち?床材にもぐらなくても、いつも暗くて安心できる隠れ家があるの!?」
ハムスターの命は短い。
それなのに、本能的な欲も満たせないペットショップ環境で、1年以上も経ってしまっていた銀次郎。
とにもかくにも、どれくらいのハム生かわからないけど、余生をたっぷり存分に幸せに楽しんで生きてほしかった。
我が家に来て以来、どう見ても銀次郎は楽しく嬉しそうでした。
ただ…ちょっと良くなった銀次郎の脱毛は、そのあとすぐまたダメになってしまったんだよね。
良かれと思って設置した木製巣箱やかじり木が原因だったようで、炎症を起こし脱毛が広がってしまった。
ウッドチップアレルギーとのことだったので床材は紙製にしてたけど、木自体がNGだったみたいで。
その後完全に木製グッズは廃止して、一時的にまた改善したのだけども。
銀次郎「あれ?おうち変わってない?」
おうちは変わったけど、でもやっぱりいつでも隠れられる巣箱は嬉しそうでした。
隠れる、走る、砂浴びする、そんなハムスターらしい生活をやっと歩み、春を終えて夏を迎え、すっかり我が家の生活が「当たり前」の毎日!
銀次郎も吹雪も、ほんとにのびのびしてくれて、私も栗丸以来の久しぶりのハムライフが楽しいし癒しでたまらん毎日!
けれど8月の1歳半記念の記事のあと、秋になると銀次郎は急速に老いてしまいました。
脱毛が当初より酷くなり、目がちょっとしょんもりして、ヨタつきも出てきて。
歴代ハムずでいうとこの2歳半間近くらいのようだった。
固形ペレットを残すようになり、食事も介護食に切り替えになった。
銀次郎「むむむ…なんかお毛毛がなくなるし、元気もちょっと湧かないんだよねえ…」
そんなわけで、10月上旬には、一度動物病院に行き脱毛について診てもらいました。
実際には脱毛というより毛根が萎縮し毛が細り切れている、ということが判明。
「ダニ検査結果は陰性なので、木材以外のアレルギーもあるか、あるいは副腎やホルモン疾患が考えられる」とも。
ただハムスターなので血液検査等でアレルギーを特定することも難しいし、
内疾患は原因を特定したところで治療はおおよそ手術を伴うことになり、身体の小ささと年齢的に非現実的なので、見守りとなりました。
なんというか、あんまりSNSでも言わなかったような、いやボヤいたような?だけど、秋頃はとにかくもう老ハム一直線だったんです。
毛の検査の後も、気になることがあって尿検査しにもいったしね。
(これは杞憂でなんにもなかったんだけど)
ハムの老化はすごく変化が早いのは十分理解していたけど、まさかこんな1歳半そこらで一気に…とすごく寂しくなった秋でした。
まだ数ヶ月しかうちに来ていないのに…ハムらしい生活が始まったばかりなのに。もう老いてしまうの?って。
おハゲもそうだけど、筋力が落ち食事が減り、巣箱などに登るのも辛そうになってきていたのです。
この頃、内心「2歳なんてとてもとても…この様子では、年越しを一緒にできないかもしれない」そう感じるほど、ぎんじろーはじじハムでした。
銀次郎「あれ〜、登れないな;んっしょ、んっしょ」
銀次郎「お毛毛もうまく生えないなあ」
それでも銀次郎なりに日々を一生懸命過ごしてはいました。
床材くわえてせっせと寝心地良いベッドメイキングをしたり、私を見つければ追いかけてきたり。
銀次郎「この床材がベスト!」
銀次郎「ぼんぼり!開けて!」
でも、でも。
実は11月下旬から12月頭にかけては、ちょっと奇跡が起こっていたんです!
吹雪ちゃんが歯を折って不正咬合になってから雑穀や種子類が食べれなくなってしまい、銀次郎だけにあげるのも不平等な気がして、我が家では何ヶ月か、種子や雑穀などの登場が控えめになったんだよね。
(当初はナチュラルラックスをちょいちょいあげていた)
でも秋冬くるし、やっぱり食の楽しみは増やしてあげたくて、吹雪用に、「剥いてあるセット」を買ったんです。
小鳥用に販売されているものですが、カナリシード、キビ、ヒエ、アワの皮がないやつ。
これを二人にあげ出してから…なんと、想定外に銀次郎がめちゃめちゃ若返った!
毛がどんどん生えてきて、表情が明るくなって目もキラキラして、パワーがみなぎってた。
銀次郎「モフッ…!」
銀次郎「なんか最近、すごくパワーが湧いてくる!」
銀次郎「登るのだってへっちゃらだい♪」
銀次郎「見た?これがぼくの底力!」
このミックスをあげ始めたこと以外なにも生活習慣を変えていなかったので、多分これのおかげ。
冬毛への換毛ももちろん助力はあったと思う。
でも毛だけなら説明がつくけど、どうみても若返っていた。パワーがみなぎって、活力がすごかった。
これらの雑穀には「ビタミンB」が豊富でした。
自分なりに調べてみると、ビタミンB群はホルモンバランスや皮膚・毛髪に良い影響を与えるものだそうで、まさに副腎やホルモン疾患の疑いがあった銀次郎には抜群だったのでは、と考えました。
思い返せば吹雪ちゃんに合わせてナチュラルラックスの登場頻度がグッと減ったのが悪さしていた…?
健康体であればさておき、もしかしたら銀次郎はビタミンBが豊富に必要な個体だったのかもしれません。
そういえばお迎え当時、他のハムスターはペレットとアミノゼリーなのに、銀次郎だけどっさり小鳥の餌が入れられてたことも気になる…
(これについて別になにも説明なかったんだけど;)
フサフサ元気一杯になった銀次郎について、吹雪の歯切りついでに動物病院で報告したところ、
「ビタミンA欠乏症だったのかもしれないね」と言われました。
ただ与えていたのはほぼビタミンBなので、このあたりは正直ピンときていないのですが(;゚∀゚)
そんな劇的変化があって、12月上旬には、なんだかまだまだ一緒にいられる気がしていました。
あれ以来ヒエ類MIXも毎日あげ続けていた。元気パワーは、旅立つ前くらいまでずっと維持されていた。
だけど…12月中旬から、せっかく生えてきた毛が生え揃わないうちに、またハゲてきてしまった。
前と同じく、脱毛というより切れちゃうって感じのやつ。
パワー銀次郎ではあり続けているけど、毛だけは逆戻りしてしまったのです。
まあそもそも内疾患があることは間違いなさそうだったわけで、それが治ったわけではないから、落胆したけどしょうがないとは思いました。
それでも活発だったし、秋のヨタヨタじろーとは別ハムなアクティブじろーだったしね。
銀次郎「んま〜♪」
表情もずっと明るかったんですよ(^^*
はむすたって、やっぱり病気や老化などで調子悪さがベースにあると、顔に出ますよね。
目がぱっちりしきらないというか、細目が多くなるというか。
モフみは減ったけど、秋にはあんなにヨタついて目もしょんもりしていた銀次郎が、MIX摂りはじめて以降は、若々しく活力ある表情をしていた。
ホイールを爆走し巣箱も砂入れも難なく登り、私を見つければ追いかけてくる、その元気さが復活したままだったから、12月前半はわたしもとにかく嬉しくてしかたなったのです。
だけど、12月下旬になって異変は進みました。
クリスマス近く、臭腺ちかくの薄毛ゾーンにわずかなかすり傷があった。本当に些細なもの。
全体的に薄毛になってしまっていたから、きっとどこかに引っ掛けてしまったんだね、と当時は捉えていた。でも。
年末、その傷が悪化していた。出血していた。ちょっと、抉れていた。
なんというか…「銀次郎、患部を噛んだ?すごく強く引っ掻いた?」そういう感じの傷。
ケージや巣箱、床材に血痕は全くない。つまり出血は極めて少量だけど、なんかそこが気になってる感じだった。
すぐ病院に行きたかったんだけど…この時、12月28日。
いつもの行きつけ含め、もうどこもかしこも動物病院は終わっていたし、次は三が日が明けるまでやっていなかった。
受診まで、正味7日間うちで様子を見るしかないという不安な状況になってしまったのです。
その間、傷は塞がったり、またやっちゃったり、かさぶたになったりを繰り返していた。
基本的に床材さえ全然血がつかないので出血は本当に極めて少ないから大事には至ってないのかもしれなかったけど、
ときおり興奮状態になって数十分延々とケージで走ったり登ったり出せ出せ攻撃をしたり、というのが発生して、もうずっとずっと心配でした。
もしかしたら、なにか身体の中が痛いんじゃないか?って。
1月4日になって、やっと動物病院に行けた。
1ヶ月ほど前にフサフサだった毛が再びなくなってしまったこと、傷から出血があること、ちょっと興奮することなどを伝えた。
その場で改めて毛の検査があったんだけど、10月と異なり、今回は「ニキビダニが悪さしてる」とのことでした。
治療は3ヶ月計画で行うことになり、まずその場でなにか液体のお薬を処置されていた。
そして飲み薬は痛み止めが5日分、抗生物質が14日分出されて、診察はまた1ヶ月後、ということになりました。
えー、そっか、ニキビダニか…。
ニキビダニ自体は人間もハムも皮膚に常在していると聞く。
ただ免疫が落ちたりすると悪くなるというのはこれまでにも把握していた情報で、そっか、じゃあなにか銀次郎は免疫が弱っているんだなと。
年は越した。2月生まれの銀次郎、1歳11ヶ月なんだからいよいよもって立派に老ハム、そりゃあそういうこともあるかと。
薬は効いていたように思う。
受診当日もまた傷が1つ増えたりしてたけど、元々あったもの含め、1週間後くらいにはキレイに落ち着いていたし、気づけば変な興奮運動もなくなっていた。
フサフサの毛はないけど、皮膚の赤みも落ち着いていた。
銀次郎「ちょっと刈り上げやだな〜。あんまり撮らないでくれる?」
この頃は旬のリンゴにすっかり魅了されて、数日おきに出るとそれはそれはもう嬉しそうに頬張ってしゃくしゃくしていて。
銀次郎「はあ〜、リンゴってすっごくおいしいねえ♪」
銀次郎はりんごがめっちゃ好きなんだなあ。
この冬、まだまだ食べようなあ。
そう思ってたし、経過良好にニキビダニ問題も解決になると思ってた。
だけど、1月中旬になって…急にちょっと元気がなくなった。
表情はまだ明るいし、活発に動くし相変わらず登ったり走ったりアクティブな時間もちゃんとあるけど、巣箱で長いことじっとしている時間ができた。
決定的に「あれ?」となったのは、1月16日のこと。
いつもなら朝の支度(ごはんやプチ清掃)のときに絶対出てくるのに、出てこなかった。
1日4-5回介護食を用意しているけど、前日の夕方もあまり食べてなかったのに、その後の晩のウマウマもだいぶ残っていた。
ペットカメラをチェックすると、夜の間もあんまり活動していないようだった。
半日くらいあまり食べてないことになるので、申し訳ないけどちょっと起こして、好物のゼリーやピューレを用意した。
好物ならOKだったらしく、もりもり食べると、日中以降はいつもの銀次郎だった。
(あんま食べてなくて、低血糖にでも陥ったのかな)
(なんにせよまもなく処方された薬も終わる)
(抗生物質が合わないとか?でも皮膚には効いているしなあ)
(診察はさらに2週間先だけど、吹雪と一緒に一応2日後に診てもらおう)
しかし、17日金曜日。
銀次郎の調子は、前日よりも悪かった。
朝から元気がなく、いつも通りの食事はほとんどちょっと口にしてすぐやめちゃう。
活動しようとすると何か辛くなるのか、ふと立ち止まってしまう。
銀次郎もわけがわからなそうな顔をして戸惑っている。
調子がいいタイミングは本当にいつも通りで、ホイールも走るし巣箱も登るし私のことも追いかけるんだけど。
日中、好物を用意しても、食べたいのに止まってしまう、そんな瞬間もあった。
元気に走りたいのに、なんかできない…そんな振る舞いがあった。
私はこの感じを知っている。
これは、身体の中で何かが起きているやつ。
そんでもって、けっこうもうどうしようもないやつ。
この日の晩、夫が帰宅した時に、こう伝えていた。
「銀次郎、来週いるかわからない。明日は本当は吹雪だけ診察だけど、銀次郎も一応診てもらってくる」
ただ正直なところ、全く診察に期待はしていなかった。
それでも一応診てもらうつもりで、20:00ごろには日中の異変を撮影した動画などを整理して準備もしていた。
22:00ごろ就寝しようとするけど、私は心配で眠れそうにないなと思った。
布団の中で、ペットカメラ越しに銀次郎を見守っていた。
22:30ごろ、カメラに映る銀次郎は、日中よりはるかに辛そうにしていた。
夜行性のハムタイムだけど、食べたいけど食べれない、走りたいけど走れない、そんな感じに止まっている。
止まってる時間が長い。
「…だめそうだ。」
分かる、なんか分かるんだ。わたしこれ寝てはいけない時だなと。
明日の朝、もう会えないなと。
多分お別れになる。この時そういう直感があった。
すぐに布団を抜けてキッチンに向かいました。
銀次郎は辛さの合間にも、好物を食べようとしていた。
この時リンゴがなかったの。せめて他に好きだったものを最後にあげたくて、急いでブロッコリーを蒸したのです。
銀次郎はすぐに寄ってきて、ほんと2,3口かなあ、ブロッコリーを口にしていました。
とうもろこしと芋のピューレも開けた。これもほんの1,2口だけ舐めた。
ナチュラルラックスや雑穀ミックスもあげた。即ほっぺに詰めてた。
そのどの動作の途中にもすぐ止まってしまったけど、食べる気満々だった。
ずっと銀次郎は、「あれ?」って感じだった。
何が起きてるかわからない。
いつも通り遊びたいし食べたいのに、なんかできないなあって、なんだろう?って。
本当にそんな感じなんです。
巣箱にすぐ戻って、しばらくじっとして。
時々出てきて砂場に行こうとして止まっちゃって、なんとか行って、じっとして。
ホイール乗ってみて、でも回せるかんじじゃなくて。
また巣箱戻って。
そんな感じが1時間半くらいだったかなあ。
その間私は、銀次郎に色々語りかけていました。
うちに来てくれてありがとうってこととか。
かわいいなあ、大好きだよってこととか。
何か辛いんだよね、怖いんだよね?大丈夫だよ、大丈夫だよと。
これから起こること、辛くて苦しいかもしれないけど、大丈夫だからねって。
リラックスしてー、はい力抜いてー。
大丈夫大丈夫、と「大丈夫」はすごく言ったな。
今から銀次郎が向かう先には、かつて私と一緒に過ごしてくれた、他のハムずが待ってるんだよ。
同じロボロフスキーのいずもとおくにもいるんだよって。
銀次郎が苦しいのはいやだから、辛かったら全然無理しなくていいよってことも伝えた。
栗丸と別れた時は、栗丸をすごく待たせてしまったから。
銀次郎が私を待ちたいかどうかは正直わからなかったけど、もし仮に朝まで待たせるようなことがあれば絶対いやだったから、「いつでも良いのだ」と、だからこそ夜中そばにいると決めていた。
砂場に行って、しばらくじっとしている銀次郎。
このところはロクに砂浴びにはなってなくて、横に1回倒れて砂つけてるだけ、みたいな感じだったけど。
それでもずっと好きな場所だったもんね、でもそこでじっとしている銀次郎に、
「そこ好きねえ、でもそこでいいの?寒くないかー?」とか言って。
移動させようかとも思ったんだけど、寄ってはくるけどお触りすると「なにすんの!」ってなる子だったから、見守って。
やがてまたタタタっと巣箱に戻っていったけど、上半身だけ突っ込んで、止まってしまい、入り切れていなかった。
その時わたしは、
(ああ、もうこれきり、この巣箱からは出てこないだろうな)
そういうのも、なんでだか悟っていた。
その予感通り、その後銀次郎はなんとか全身入ると、もう出てくることはなかった。
だけれどペットショップ時代の何もなかった環境から、今は自分だけのお城で、砂場だったり巣箱だったり、「ここがいいな」というお気に入りの場所が決まっていたのを、嬉しく思った。
そう言う場所、用意できてよかったなって。
背中を向けて横向きにうずくまってた銀次郎からは、
プ、プ、プ、プ、プ、という、脈に合わせたような呼吸?鼻音?が聴こえていた。
その間もわたしは話しかける。
時々みじろぎして、そのうち銀次郎は私の方に顔を向けてくれていた。
日付が変わって18日になって少し経ったころ。
プ、、、プ、、、プ、、、と言った感じに、呼吸の感覚がゆっくりになる。
銀次郎の口呼吸が見えた。
いよいよ旅立ちはすぐそこでした。
銀次郎とはあまり触れてこなかった。
最初の頃にちょっと手のひらに載せたことはあるけど、ハゲもあって皮膚が過敏だと思ったし、控えていた。
ときどきちょんって触ると「ちょっと!」ってされたし。
秋冬ごろはときどきお触りすることはあった。ノーリアクションで、たぶん前よりはちょっと許されてたかなと思う。
でも基本的には、触れ合わなかったの。
せっかく銀次郎自分でお気に入りの巣箱に戻っていったのだし、そのままそこで…私はただ見守って…
そう思って。
思っていたのに、口で苦しそうに息する銀次郎を見たらもう堪らなくなってしまって、寒いかもしれないと思って、温めたくて、
「ごめんね銀次郎、今だけ抱かせて」
と、思わずその小さな小さな身体を急いで手のひらに抱いていました。
嫌かな…ごめん…でもきっと、いつも寄ってきてくれた銀次郎、きっと私のこと嫌いではなかったと思うから…
なんて最後の私の都合のいいわがままかもしれないけど、抱かせてもらってしまった。
手のひらに感じる銀次郎は、すごくすごく温かかった。
熱いくらいだった。熱があったかもしれない。
口で辛そうに呼吸していて、とにかくわたしは「大丈夫だよ」と声をかけ続けました。
そのうち大きな呼吸になって、最期は何度か鳴いて、銀次郎は旅立ちました。
ブロッコリーを蒸してから2時間くらいかな。
別れに立ち会うのは、6ハムめです。
長く辛い地獄のようにのたうちまわる旅立ちも見てきた。
銀次郎の旅立ちはすごく静かだったと思う。
とにかく銀次郎にリラックスしてもらいたくて安心してもらいたくて、2時間声をかけ続けてた。
愛しい存在がこれから行ってしまうこと、すごくすごく嫌で辛くて悲しくて寂しいけど、大丈夫、ちゃんと声を掛けられている。
気丈に落ち着けていると思ったけど、いざ旅立ってしまったら、途端に涙と鼻水が止まりませんでした。あーあ。
ぎんじろー。かわいいかわいい、ぎんじろー。
行ってしまった。もう行ってしまった。
まだ9ヶ月しか一緒にいないのに。ペットショップ時代の方が長い。
銀次郎は、多分まだまだこの暮らしを満喫するつもりだったと思う。
もっと遊びたかったしもっとリンゴを食べたかったし、もっと砂も浴びるつもりだったと思う。
ぎんじろー。私もまだまだ、銀次郎と一緒にいたかったよ。
今日も顔を見たいままだよ。匂いを嗅ぎたいままだよ。何度もケージを見ているよ。
もっと早くうちに来れたら良かったのにな。
銀次郎がベビーの時からお世話したかったな。
でも銀次郎と吹雪が1歳を超えていなかったら、他の暮らしの可能性がまだまだあったなら、私は君たちをお迎えしなかったんだよなあ。
皮肉な巡り合わせなんだ。
銀次郎が旅立った頃、やんややんや泣く私がうるさかったのか、吹雪ちゃんが寄ってきてくれました。
「吹雪、銀次郎が旅立ったよ。」
ケージの扉越しに手のひらに抱いた銀次郎を寄せて吹雪にも伝えた。
吹雪は扉をガジガジとしてうまうま寄越せコールをしていた。泣笑
そぉね、最後の晩餐に銀ちゃんだけに用意した、とうもろこしや芋のピューレが自分にないので怒っているね。
(ブロッコリーは用意したんだけどなあ)
銀次郎は行ってしまったけれど、吹雪はまだまだ健在だ。
そんな吹雪の通院が次の日に控えている。
銀次郎がいなくなってすごく寂しい、悲しい、涙が止まらないけど、吹雪も大事だ。
そうして銀次郎を巣箱に戻し、おやすみまたねを言って、私も眠りにつきました。
吹雪ちゃんは、夜のうちにでも気がついただろうか。
ハムスターは超音波で会話をするというし、これまで会話してたかな?この日は会話できなくて、気づいたかな。
匂いで気づいたかな。
吹雪は私よりも銀次郎と一緒にいた時間が長いから、わかってたらいいなあ。
******************
次の日の通院は、もちろん吹雪だけを連れた。
診察前に、先生に銀次郎のことを報告しました。
ニキビダニの治療は経過良好そうだったけど、この2日ほどでこんな異変があって、旅立ってしまったと。
神経系だったり、心臓の病気もあったのかもしれない、ということを聞きました。
私もそんな感じがします。気持ちはまだまだあったけど、体の内部が持たなかったんだろうな。
この日は帰ってからもふとした瞬間にまあすぐ泣いた。
短い間だったけど、お世話はけっこうやれたと思う。
秋からは日に4回の介護食、この頃は5回作るときもあった。
銀次郎はおしっこロボロフマンなので、ホイールも毎日洗ったし、プチ掃除が朝晩、歴代ハムに比べても手をかけている。
ずっと家にいる仕事だから、頻繁に様子もみれた。
無知で至らない昔の私とは違って、後悔も少ない。希助にはじまり、大切なハムずみんなとの日々があったおかげ。
栗丸との別れがあったからこそ、見守りもちゃんと出来たと思う。
でもさー。納得してるのと寂しいのは別だからさ。
毎日毎日、はーかわいい!(*´Д`*)って見ててさ。
あのちっこい身体で存分に暮らしを満喫する姿が愛しくてさ。
まだ数日前までそんな瞬間で溢れてたんだもん、急になくなったら寂しいのよ。
まだまだ一緒にいたかったの、だから寂しくて寂しくてしょうがないから、まあ泣くよ。
泣くけれど、冬の暖かい室内では亡骸もすぐ傷んでしまう。
だから吹雪の病院が終わってまもなく、銀次郎の埋葬に着手しました。
この機会に、ようやくちゃんとハムずのお墓を庭に作りました。
希助時代からアパート暮らしで、ずっと狭い鉢にしてたから。
今はもう永住の地に居を構えたので、やっとちゃんと、用意しました。
歴代ハムずはなんと、おおよそ全員がまだ残っていた。
きっと狭い空間に入れていて、腐葉土が十分に足りていなかったのだろう。
「いつまでも還らない!」ってみんな今まで怒っていたかもしれない…
どれが誰かはわからないけど、8ハムが確認できた。
新しく広いお墓には、銀次郎を真ん中に、先輩ハムずで囲うようにしました。
冬真っ只中、寒空に銀次郎を置くことにけっこうためらいがあったのだけど、みんながいるので、なんだか途端に安心して預けられた。
初めて迎えたハムスターは希助だけれど、初めてお別れしたハムスターはその後に迎えたロボロフスキーのいずもです。
もはや9年近く前にお別れをしたいずもが、さすがにこの月日で誰よりも小さく小さくなっていたけれど、そのいずもが残っていてくれたことに、嬉しくなってしまった。
いずも、銀次郎をよろしくね。おくにと一緒に、ロボトリオとして仲良くしてねー!
旬でおいしいリンゴを9片用意して、そのうち1片はしっかり銀次郎に抱かせました。
その他、みんなが大好きだった粟穂や種子類も一緒に入れて、最後のお別れを伝えました。
寒い冬だけれどこの週末は日差しが暖かくて良かったです。
寂しいけど、涙も流れるけど、私はわりと大丈夫だ。
栗丸の時もそうだったけど、お世話頻度が高いとさ、いなくなってしまった次の日からもう嫌でもその事実を理解するしかないのよね。
最近は5回も食事用意してたし、それが一気になくなったら、嫌でももう銀次郎はいないって受け入れるしかない。
(とはいえ吹雪も介護食なので1ハム分は普通に続いているんですけども!)
******************
銀次郎のこと、可愛がってくださりありがとうございました。
昔みたいに、SNSもブログもあんまり更新しなくて、頻繁には銀ふぶの様子を伝えてなくてごめんなさい。
色々事情や思うところもあって、銀ふぶはマイペースに、気負わない分だけアップしてこ!てしているもんで;
だからあんまり皆様にはお見せしてこなかったですけど、
実際わたしはずーーーーっと家にいますんで、銀ふぶを見る時間もたっぷり、充実しておりました(おります)。
皆様に見せびらかしていない可愛い瞬間や姿がいっぱいあったんですよ(*´艸`*)
9ヶ月…短かったけれど、でもきっと、ギュッと凝縮した幸せな時間を過ごせました。
銀次郎も、そうだったらいーなーと思います。
これから先は、吹雪と過ごしてまいります。
「銀次郎の分まで頼むよ!」なんて思ったりするけど、吹雪は吹雪らしく、好きにまた過ごしてもらいます。
こっちもこっちで2週間ごとの歯カット、とにかくグングン伸びまくる歯に割とハードさを抱えてますが!
また、見守っていただけたら幸いです♪
銀次郎「みんな、ありがとねーっ!またいつか会おうね♪」
埋葬の翌日、掃除デーだったので、銀次郎のおうちもきれいにしました。
少しくらいそのままにしたかったんだけど、何せすごく汚れるので、衛生的にそうもいかずね。
だけどさっぱり片付けるのは寂しくて、ちゃーんとキレイにしたあとに、いつも通りにふかふかの床材をたっぷり、大好きな砂も入れました。
水は傷むからボトルを空にしているけど、お皿には種子類いっぱい入れてあるんだ。
せめて吹雪ちゃんがいるうちは、相変わらず上の段は銀次郎のおうちを置いたままにするつもりです。
もうこの目でその姿を見ることはないけど、遊んでくれてたらいいなって。
銀次郎、うちにきてくれて本当にありがとうね。
また会おうねえ。
COMMENT LIST
ぎんじろ君のご冥福を心よりお悔やみ申し上げます。
ぎんじろ&吹雪コンビ、お迎えの時から今日まで、密かに楽しみにX拝見しておりました。
私は6年ほど前にぼんぼりさんをきっかけにハムちゃんを迎え、
計4ハムとお別れしましたが自分の未熟さに後悔ばかりで…
このブログを読んで、ぼんぼりさんとぎんじろ君の絆を見て
「うちのハムず達も少しは幸せだったのかな」と反芻する事が出来ました。
精一杯愛を降り注がれたぎんじろ君がそれに応える姿、とっても逞しいです。
本当にぼんぼりさんの家族になって幸せだったんだろうなぁと伝わります。
お空でお兄ちゃんお姉ちゃんと、ウマウマパーティとかしていたらいいなぁꕤ︎︎·͜·
最後になりますが、吹雪君、ぼんぼりさんご夫婦がつつがなく過ごされるよう願っております。
ブログを更新してくださり、ありがとうございます。
初めてコメントさせていただきます。
銀次郎ちゃんをお迎えされた時からこっそり拝見しておりました。
我が家には銀次郎ちゃんと境遇がすごく似ているロボロフスキーの男の子がいます。
1歳を過ぎてペットショップで狭いケージの中売れ残っており、たまらずその日の内に隣にいた同じく1歳の売れ残りロボと一緒に2匹連れて帰りました。
ブログなどで拝見させて頂く限り、性格もすごく似ており、見た目も同じスノーホワイトのロボなので、全てにおいて何だか他人事に思えなくて…勝手に見守っておりました。
なので、銀次郎ちゃんの生き様を知れて、最後にこの記事を読めてとても嬉しいです。
銀次郎ちゃんとっても幸せだったんだなと涙が出ました。
最後まで可愛い銀次郎ちゃんに、これからはカレンダーの中から見守ってもらいます(^^)
ぼんぼりさんお辛いと思いますが、吹雪くんと一緒にどうぞご自愛ください。
最後になりましたが、銀次郎ちゃんのご冥福を心よりお祈りいたします。