じゃんがりハム日和

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イエロージャンガリアンハムスター

じゃんがりハム日和

パールホワイト・ジャンガリアンハムスターの吹雪

おやすみ、吹雪。

本日2025年6月1日の朝、パールホワイトの吹雪が旅立ちました。
享年、2歳2ヶ月。
(正確な誕生日が分からないから、もしかしたら2歳3ヶ月だったかもしれないね)

私としたことが、2歳1ヶ月・2歳2ヶ月のお祝い記事を掲載しないうちに、旅立ちの報せをすることになってしまったや。

さっき昼過ぎ埋葬したばかりで、そのままこの記事を書き出しています。
この数ヶ月の書きそびれていた日々を語りつつ、最後のひとときを残したいと思います。

なんか、今回はなんだか、もう書いてしまいたいと思って。

************

前回の記事でもお伝えしたとおり、2歳を迎えザ・老ハムとなっていた吹雪。
基本的には元気だったけれど、頭頂部&左耳付近の原因不明のおハゲもあったし、体重も長いこと減少傾向で、日に日に変化は生じていました。

4月半ばの2歳1ヶ月祝い時点では、それでもけっこう元気な印象が強かったけれども。

パールホワイト・ジャンガリアンハムスターの吹雪
吹雪「かわいいオレに何か用?今うんぴ食べてんの♪」

パールホワイト・ジャンガリアンハムスターの吹雪
吹雪「もろこしピューレ、んまっ!」

吹雪「出せ出せ!そっちにオレを出せーっ!」

私を目撃すると出せ出せ攻撃が頻発するのも続いていた。笑

パールホワイト・ジャンガリアンハムスターの吹雪
吹雪「いちご最高!!!甘くてうまいな!」

↑これは2歳1ヶ月お祝いのときのやつ。
この時、我が家に迎えての一周年記念でもありました。
銀次郎が叶えられなかった2歳祝いに加え、一周年記念を、吹雪は達成してくれたんです!

銀次郎とともに我が家にきたのが、2024年4月14日のこと。

しかし吹雪はそこから3ヶ月後には不正咬合になってしまい、以降、これまで定期的な歯カット通院を頑張ってきました。
当初は2週間ごとだったのが、伸びるペースが早いからと10日に一度通うことになって。
しょうがないんだけど、これはもうずっと地味に吹雪のストレスでした。

歯が伸びすぎると曲がり上顎に突き刺さるため切るしかないのだけど、切ったら切ったでその違和感?で落ち込み食欲不振が続く。そこから少し経つと慣れて、やっと食欲が増す。

そんなわけで、歯カットサイクルのうち「伸びる/切る/慣れる」の3工程で食欲と体重は「減/減/増」といった傾向になっていまして、今日までに、吹雪はどうしても小さくなっていくばかりでした。

通院開始から今日に至る10ヶ月間で体重は15g以上減り、実のところ、もはや今春にはロボロフスキー並の小さなハムスターになっていたんです。

パールホワイト・ジャンガリアンハムスターの吹雪
吹雪「ちまっ。ニンジンってうまいよなあ♪」

パールホワイト・ジャンガリアンハムスターの吹雪
吹雪「ちまちまっ。ゆでたまごの白身、柔らかくていいな!」

食事は生の根幹なので、もうずっと、とにかく口に出来そうなものを色々と工夫して用意していました。

そもそも昨秋11月時点で銀次郎の急速な老化もあり、基本的にこの頃からハムずの主食は「ふやかしペレット」等、水分を含ませたものがメイン。
私は昨日までの約7ヶ月間、日に4回の食事の入れ替えを行ってきました。

老ハムや患ったハムの食事の困難さは知っていたので、ピューレ、ゼリー、流動食、パウダー、プロテイン、シロップ等々、これまでにないほど手駒も揃えていた。

特に吹雪2歳以降はさらに食事ムラが出ていたので、メニューはとにかく色々調整してやっていた。

パールホワイト・ジャンガリアンハムスターの吹雪
吹雪「あむあむ、オレ、なんかけっこう小さくなったかもなー」

そんな感じで、これまであまり公に説明はしてこなかったんだけど、元気に見える吹雪でも、何もないわけではなかった。2歳祝いの記事時点で老ハムみが増したこともだいぶ小さくなったことも伝えてはいたけれど。

その後、だんだん「ん?」と思う瞬間も増えるようになっていました。
気づけば前はよくやっていた野良寝もホリホリもほとんど見ないねえとか。
そういえば寝ている時間・巣箱にこもる時間も増えたなあ、とか。
…ときどき、毛並みが悪く見える時もあった。

ボディラインとか、ハリとか、ああもうおじいちゃんだなーとしみじみ思う瞬間も増えた。
何が、どこが、ではないけど、「なんか今日は元気いっぱいではなさそうだな」と感じる機会もありました。

パールホワイト・ジャンガリアンハムスターの吹雪
吹雪「まあ高齢になるしね、オレもジジハムってやつよ」

パールホワイト・ジャンガリアンハムスターの吹雪
吹雪「おハゲもずっとあるしなー」

だけれど5月14日を迎えて、なんとか2歳2ヶ月のお祝いはできました!
食べられるものが限られているので、そんなに特別なお祝いメニューとかにはできなくて、いつものラインナップの中から、好物を抽出するくらいしか出来なかったけどね。

パールホワイト・ジャンガリアンハムスターの吹雪
吹雪「ブロッコリー!今日は歯の調子いい時だから食えるぜっ」

パールホワイト・ジャンガリアンハムスターの吹雪
吹雪「あっリンゴもあるじゃん!!リンゴうまっっっ」

5月じゃもうリンゴなんて旬じゃないんだけど、この時すごく喜んでいて、用意してよかったなーって思ったなあ。

これが5月半ばだからまだ2週間くらい前のことだけど、この時期にはホイールも回せなくなっていた。

厳密には体重が30gを切って軽くなりすぎたせいか、どうもブレーキ機能付きホイールの抵抗に勝てなくなったようで。
走ろうとするんだけどストッパーに負けて回らない、みたいな…。

でもね、もう爆走で吹っ飛ぶような心配もないだろうと、昔の普通のホイールに戻したら軽い力で走れるようになって、これは嬉しそうにして、ああまだ大丈夫、元気だって思ったりもしてね。

パールホワイト・ジャンガリアンハムスターの吹雪
吹雪「うおりゃーっ!まだまだ遠くに行くんだっ!」

こうしているとなんだかまだまだイケるジジハムに思えなくもなかったんだけど…
2歳2ヶ月のお祝い記事を書かなくちゃなあ、と思いつつ、なんとなく筆を取る気にならなかったのは、同時にこの頃『2歳3ヶ月は、どうだろう。』と漠然と思うようにもなったからかもしれない。

歯のせいもあるかもしれないけど、すごく元気に見えてまだまだ余裕で一緒に居られるように思う時と、そんなに先々まで身体が持つかどうか怪しい、と思う時とが日によって違うのが、この5月でした。

それが形となって「あらら?」となったのは5月20日ごろ。
そのちょっと前からなんとなーーーく右目に何かありそう、という気配があって、歯カットの時に伝えたんだけどぱっと見は分からないからと診察には至らず、でも結局すぐ明確な異変が出た。

パールホワイト・ジャンガリアンハムスターの吹雪
吹雪「右目イタタ…」

歳が歳だし、白内障の始まりを危惧した。同じパルホワのあられはぶどう膜炎もあったし、栗丸は水晶体脱臼もあったし。
しかし改めて診てもらうも眼球に異変はなさそうということで、結膜炎かな?という仮定になり、抗生物質目薬をすることになった。
最近の話なんで、近頃はXもちょいちょい更新していたので、そちらをご覧いただいていた方はまだタイムリーな話だったはず、と認識があると思います。

この診察時に久しぶりに尿検査もやって、そちらの結果は良好で。
「肝臓とかも大丈夫そうですねー」なんて言われたりもして。

だから何か、私的には5月の寒暖差本当に酷かったので、抵抗力落ちた隙をやられたかな、とか思ったり。
だけど年齢も年齢、最近の様子もあるから、やっぱり色々弱くなってるかな、とかも思ったり。

栗丸以来にやる久しぶりの目薬は、まあやっぱり大変ではあったけど、乗り越えている最中でした。
目薬始まったのが5/21で、点眼予定期間は2週間だった。「一生」だった栗丸に比べればなんと短いことか。

とはいえ点眼失敗が続いた日があり、『目にポトっと水滴落としてくる嫌なやつ』になったので、ちょっと吹雪には嫌われたように感じて、泣き言を呟いたりもしたけど…

パールホワイト・ジャンガリアンハムスターの吹雪
吹雪「目薬される…イヤだって言ってんのに…」

パールホワイト・ジャンガリアンハムスターの吹雪
吹雪「むうう…!」

なんとかコツ掴んでスッとやれるようになったのは1,000回を超える栗丸の目薬経験があったからかな。
吹雪も耐えてくれたおかげで、目薬は抜群に効いていた。

パールホワイト・ジャンガリアンハムスターの吹雪
吹雪「きゅるる♪オレのラブリーな瞳、戻ったな!」

右目はみるみる良くなったので、ほっとしていました。
次の歯カットの時には良い報告が出来るな、点眼期間短くなるかも、とかも思っていました。

一方で、一度、別の違和感もあった。
5/23、目撃したのはその一回なんだけど、なんか妙なフリーズをしたように見えたんです。
だけど目はとても良くなっていたし、この時歯の調子も良かったのか食事量も良くて、活動的でもあって、「気のせい」かなと思いつつ、ただそう感じたことをペットダイアリーには書き留めた。

今にして思えば、これは全然気のせいではなく、予兆だったんだろうね。
そしてここから今日の別れまで、振り返ればあっという間だったと感じます。

************

24、25、26、27日と日が進み…ここで食事量が減りました。
ただサイクル的に歯が伸びてきたころなので、言ってしまえば「いつものこと」でもありました。
このタイミングではいつもほぼ舐めて摂取できるようなメニューを多めにするので、いつも通りそうして。

だけども…5/27の夜以降あまりごはんが減らず、翌日28日、吹雪はほとんど巣箱に引きこもりで。
出てきても、口にするのは本当にちょっとでした。いつもより、圧倒的に減りが悪い。

パールホワイト・ジャンガリアンハムスターの吹雪
吹雪「オレ部屋にいたいから、じゃあね」

そしてほんの少ししか食べないまま、5/29になってしまい。
前日に続き、この日もほとんどごはんは減らなかった。
夜中のペットカメラの様子をみても極端に活動が少なく、ここへ来て異常事態であることをはっきり認識しました。

この日本当はすぐにでも病院に連れて行きたかったのだけど、あいにくの変則休診日に重なってしまった。

この食事の少なさは相当にまずい。思えばもう水さえろくに飲んでいない…私は非常に焦っていました。
数日前のあのフリーズが頭をちらついた。これは、なにか。なにかある。

朝、好物を並べてみたけどそれも本当に一口未満しか食べてくれませんでした。
食べてみようというそぶりがあっても、なんかやめる…。まるで食べ方を忘れたみたいに。
焦る。焦る。でも、病院に行けない以上はできることをやってみるしかない。

昼、夜、あらゆるものを出した。
っていうか、あるもの全部提供した。

前述した通り、私はもともと、今回相当色々なものを取り揃えていました。
だからなんとか、どれか一つでいいからヒットしてくれと思って。

いつものふやかしペレット、粉砕して溶いたやつ、かぼちゃ、にんじん、急いでスーパーに買いに走ったブロッコリー、りんご。普段から取り入れていたベビーフードや、小動物パウダー、ゼリーは4種類、ピューレ5種類、ヘルスチャージ、エナジーバイト、種子類、種子類すりつぶしたやつ、乾燥豆腐、乾燥野菜、うらごしトウモロコシ、キャベツ、ベジタブルサポート、ビタシロップ、アクアコール。

こんなにあらゆるものを備えていた過去はない。それくらい準備してあった。
なのに、なのに、なのに!!

この非常事態に、そのすべてが一切通用しなかった。全部ダメだったんです。
あんなに喜んでいたリンゴやニンジンを口元にまで持っていってもそっぽを向かれた時、私は絶望しました。

え、だって、もう24時間ほぼ絶食絶飲に近い状態で…。
しかもときどき動きが止まっている。
低血糖、脱水だって怪しい。
吹雪、たべてよ、せめて水を飲んでよ舐めてよ、しんじゃうよ。

最悪の時のためにシリンジも持っていた。やりたくなかったけど、弱々しい吹雪を無理やり巣箱から出して、溶いたベジタブルサポートを一口流す。受け入れないので口元にグシャっと広がる。
その反動で少し舐めたけど…拒絶がすごい、そして飲むのもすごく苦しそうである。

この時点で、すでに私はあの手この手でなんとか食事に見向いて欲しくて何度も吹雪にちょっかいを出している。
極め付けに強制給餌、でもそれもダメそう。
ああ、どうしようもないから色々やったけど、これ余計なことなのかもしれない。
吹雪のこともっと苦しめてるかもしれない。やばいかも。だめかも。涙が溢れた。

大好物も受け付けられない。私にはイヤなことをいっぱいされて。
吹雪は苦しく辛く恐怖と苛立ちでいっぱいかもしれない。それで終わってしまうかもしれない。
私にできることがもうない。

(どうかせめて、明日の朝の病院に連れていきたい。間に合え、持ち堪えろ!)

その晩は祈るような気持ちで、本当に長い長い夜を過ごして。
そしておとといの5/30、やっと診療日を迎えて。
だいたいいつも一番乗りに行くけれど、この日は絶対に一番に診てもらいたくてもっと早くに行った。
開始時間になるまで、一分一秒がすごくすごく長く感じました。

タイミング的に、そもそもこの機会の診察は本来ならいつもの歯カットと目薬の経過報告だったけど、それはさておき事態が急変しておりすごくまずい状態であるとすぐ伝えて、すぐ診てもらった。
まず歯を切って、それからすぐレントゲンを撮ることになった。けどその時点で血尿が出たと言われた。ショックを受けた。
同時に尿検査も行われ、強制給餌も2口だけ行われた。昨日同様、飲むのもやっとだった。

レントゲンで判明することはなかったけれど、尿検査の結果がとても悪かった。
医学のことは私はあまり分からないけど、ビリルビンとかいう項目に反応があるのがけっこうまずいらしく、これは肝機能の障害が疑われるってことでした。

9日前の尿検査の結果、すごく良かったのに…。

その説明を受ける最中にも、吹雪はすごく苦しそうでした。前日よりずっとずっと苦しそうだった。
こういうハムの状態を見るのが初めてじゃないから、前のハムたちで見てしまっているから、最悪の可能性が高いことがイヤでも分かってしまっていた。

提示された治療の選択肢は2つ。
入院か、自宅で強制給餌+飲み薬か。
ただもう重篤なので、入院の場合看取れない可能性があることも言われました。

悩みに悩み、後者にしました。強制給餌に自信がないけどやるしかない。たとえ吹雪に鬼と思われても。
だって吹雪がふと気づいた時に「いつもと違う場所」だと不安にさせたくない。
この一年で築いた吹雪のおうちの空気感を、ちゃんと我が家にしておきたい。
入院よりも私なら付きっきりで看てあげられるし、もしもの時、なにより私は絶対にそばに居たかったから。

その場で初回の飲み薬を飲ませてもらい、うちにあるよりもっと使いやすく細いシリンジももらい、帰りました。
もはや目薬なんか当たり前に中止だった。

帰宅後も、吹雪はとてもキツそうで。この時点で覚悟をしていた。
希望は捨てていなかったけれど、本当に一縷の望みでした。

12:00、強制給餌を試みたけど、うまくいきませんでした。苦しそうなのにものすごく抵抗し、負担になったと思う。その様子に情けなく早くも心が折れそうだった。こんなんできないよ。悪いことしているみたいになる。

13:00、もう一度やってみる。たった一口を口に。もちろん嫌がったけど…舐めた。一旦やめる。
14:00、もう一回やる。また一口。舐めた!これで今日は4口。24時間以上絶食が続いたんだから、快挙だ。ごめんね吹雪、苦しくさせてごめんね。でもやるしかない。

これ正解なのか?合ってるのか?やるしかないけどやりきれるのか?
心配と不安と自分自身のダメさとで精神がおかしくなりそうでした。
だけど…。

15:00代、なんと吹雪が、自ら食事を試みた。16:00代、久しぶりに給水機からまともに水を飲んだ!
17:30、また自分でピューレ類を数口舐めている、野菜やふやかしペレットにも関心を示している。ホイールを数回回した!

朝の薬が効いているの?4口の強制給餌で食事のスイッチが入った?
邪魔する歯も短くなったから?夕方の薬さえ自分で舐めてくれた!
19:00、20:00とまた自分から皿のものを少し食べる…!!

血尿も出たしときどきフリーズはするけれど、なんと吹雪の食欲が、予想以上に戻ったのです…!

23:00、私の手の中で食べてくれて、この夜は少しだけホッとして。
その後、ペットカメラの記録では夜中の2時以降も1時間おきに何かを口にしていました。

そして昨日・5/31の朝、また吹雪に「おはよう」ということが出来ました。
いつもみたいに私を見つけると駆け寄ってきて、ケージから身を乗り出し勢いよく手のひらに来て、そのままごはんを差し出せばもぐもぐ食べるんです。薬も舐めてくれる!

パールホワイト・ジャンガリアンハムスターの吹雪
吹雪「オレ、食べる!!!」

一縷の希望が、ちょっと大きな期待と希望になり始めました。
もしかして、もしかするの?まだ吹雪と一緒にいられるの?って。

その後も大体1時間置きくらいに出てきて食べる、というのが続きました。
続きすぎて…だんだん、逆に心配になってきた。
だって、こんなに食べるの、悪化前より量が多くないか。

あんなに食べろ食べろと願っていたのに。
そして何より、食べた後、ややフリーズするのがちょいちょい起こるのが気になる。

もう全然、この時点で事態がどうなるか分からなかった。

13:00過ぎに巣箱から出てきたタイミングでは、吹雪はなんと私の手に居たがりました。
見つけて駆け寄ってきて、扉を開けると乗ってきて、そこでごはんを食べる。
食べ終えたようなのでケージに戻すと、「なんで帰すの!?」と言わんばかりに慌てて走り戻ってきて、私の手のひらに来たら、スンッとそこでおとなしくする。

え、え、なにこれ。吹雪。
いいの?私のこと嫌いになってないの?
今辛い時でしょう、私の元でいいの?

求めてくれるなら、こんなに幸せなことはない。そのまま手のひら抱っこをすると…
この時、ちょっと様子が違いました。
巣箱でしていたようにフリーズ気味で、ちょっと揺れて、時々苦しそうで。
正直、「その予感」を感じざるを得なかった。

ああー、そうか。いっぱいいっぱい食べてくれて私に安心をくれて。
そして、今か。これからなのか…って。

私は銀次郎の時と同じように、吹雪に色々と伝えました。
吹雪のこと大好きだよ、頑張ったね、大丈夫だよ、無理しないでね。リラックスして。
銀次郎によろしくね、みんなによろしくね。吹雪と同じパールホワイトのあられもいるんだよ。
吹雪がうちに来てくれて本当に楽しかったよ、とか色々。

1時間くらいそんな吹雪を手に抱いていたけど…ここでふと吹雪が戻り、予想外に、またごはんを強請った。
あれ?と思いつつあげてみる。…食べる。

そうして食べ終えたようすで身じろぎ、でもちょっと辛そうで、そして血尿がわたしの手に拡がった。
ああ、やっぱりきついか。今度こそ帰りたいかな、とケージに戻そうとすると、なんとまたNGだった。
私の手に戻ってくる…。
なんで、吹雪。なんでそんなに求めてくれるの。泣

手のひらにくると、おとなしくするんだもん。
すごく自分勝手だけど、私はなんだか許された気がした。

もう何も口にできないし私はイヤなやつで、吹雪にとってそれが最後かもしれないと思った前日と、まるで状況が違う。
改めてりんごも用意してみた。舐めてくれた。吹雪が大好きだったものを味わってもらえてすごく嬉しくなった。

そんでそのまま、撫でてみる。横向きになってすっごく気持ちよさそうな顔して…穏やかに寝た。寝た!?
私も一緒に横になって、「吹雪と一緒に眠ってみたいと思っていたから、すごく嬉しいよ」なんて言って、ずっと撫でていた。

30分くらいして体勢を変えようと動いたら、「何動いてんだ!今度はこっち向き!」と言いたげな感じで向きを変え、今度は反対を撫でることになった。
…めっちゃ気持ちよさそうにして、爆睡している。

なんだ、この幸せな時間は。
昨日までの地獄はどうした。

合計1時間くらいかな、夫曰くもっと長かった?とにかく私は吹雪と一緒に横になって撫で続けまどろみ、その間吹雪は全然苦しそうな素振りがなくて、まるで夢のようなひとときでした。

すっかり小さくなり骨ばった吹雪の身体でも、ハムスターならではの手触りの良い絹の毛。
その体温と小さな鼓動を手のひらに感じながら、延々と撫でることを、受け入れ喜んでもらえている。
本当に、信じられないほどやさしい時間、幸福そのものでした。胸がいっぱいになったよ。

そうして16:00近くになって起きると…今度はケージに帰りたがった。
帰すと巣箱に戻ったきり、出てこなくなった。
不自然なほど続いた1時間ごとの食事が、止まったのです。

18:00ごろに巣箱を開けさせてもらい、薬だけ舐めてもらった。
すりおろしたリンゴやにんじんも用意したけど、口にしてみたものの、もう進まなくて、吹雪は辛そうでした。
巣箱にずっといる。もう全然出てこない。ときどき覗くと、ずっと辛そうにしている。

(…今夜は厳しいかもしれないな。)

改めてそう感じて、早々に夕食とシャワーを済ませて、私は備えることにしました。
ケージのすぐそばで、夜を過ごすと決めたのです。

そして昨夜はもう20:00ごろからずっとずっと、ケージのそばにいました。
時々吹雪に声をかけた。

ねえ吹雪、頑張ってるね、えらいね。すごいね。
もし辛かったら、あんまり無理はしなくても大丈夫だよ。
私、吹雪のこと大好きだよ。うちに来てくれて、本当にすっごく楽しかった、幸せだったよ。
今夜はずっと近くにいるから、何かあったら伝えてね。すぐ来るよ。

ときどき様子を伺うと、ずっと辛そうにしていた。
21:00以降、また時々出てくるようにはなったけど、すごくフラフラしていた。フリーズも増えている。
ごはんはあまり食べない。
何度か新鮮なものを作り直して用意したら、食べたタイミングもあった。
りんごもニンジンも齧れはしないから、すりおろして。舐めてくれて嬉しかった。

基本的にずっと巣箱にこもりがちになりました。
でも、なんとなくだけれど、きっと「その時」には、吹雪は私に寄ってきてくれるだろうという確信がもうあった。

深夜2時ごろのタイミングでは、なぜだかまた少し色々を食べていた。
ここから3時間半、吹雪は巣箱にこもって出てこなかった。

どうなるかな。どうなるかな。まだ分からないな。
吹雪が決めていい。

夜中、この一年の思い出を反芻した。
あんなに辛い事態からここまで食べてくれて、私に癒しのひとときまでくれて…。
もう十分だ。私は無理に吹雪を引き止めておけないよ。

************

そして今日、月が変わって6月1日を迎えた。また朝を迎えられた。
5:30、吹雪が起きてきた!
そしていくつかの皿を物色し、なんなら固形ペレットの入った皿もチェックしていて、給水機にも行っている。

え、え、え?好転している?
急いで朝の薬を用意して、駆け寄った。
吹雪、おはよう!調子はどう?すごいね、頑張ったね!薬飲もう、楽になるかも、舐められる?

私に気づくと、すぐ駆け寄ってきてくれた…けど。フリーズした。
扉を開けると、力を振り絞って勢いよく私の手のひらに乗り、そこで大人しくなった。

薬は舐めてもらえなかった。ごはん皿を持ってきてみたけど、それも口をつけなかった。
顰めっ面で、身体の中の辛いものに耐えているのが分かる。

そこから15分くらいかな、また一緒に横になって、私は吹雪を温めながら撫でた。
見えたお腹は、黒いと感じた。

また色々と語りかけた。
ねえ吹雪、大丈夫だからね。吹雪の好きにしたらいいからね。
私ずっとこうしてるからねー、とか。

そのうちに、辛そうに身体をよじり始めました。
昨日覚悟したあの時と、違う感じだった。今か。今なんだね。
さっき起きてきてなんだか普通然として食事をする素振りだったから、急変に驚きもしたけど、そっか、って。
もう動揺はありませんでした。

比較するものではないけれど、これまで見てきた中を思うと、そう激しいものではなかった。
ゆっくりと数回辛そうに身体をよじり、吹雪が落ちないように手のひらで抱きながら、とにかく「大丈夫だよ」と、「ありがとうね」とか、色々なことを伝えた。
そうなってからは、早かったように思う。失禁することも、苦しそうに呼吸したり鳴くこともなかった。
吹雪は静かに旅立ちました。
6:00頃のことでした。

吹雪、ありがとう。本当にありがとう。おつかれさま、いっぱい頑張ったね。
あなたと過ごせた約1年、私は本当に幸せでした。

************

昨日はとても寒く大雨だったけど、今日は晴れて暖かくなった。
埋葬はお昼過ぎに行いました。
銀次郎の機会に作ったハムずたちのお墓があるから、早かった。

1月振りに少し掘り返して、銀次郎の近くに埋葬しました。
ふかふかの腐葉土と、りんごとかキャベツとか、種子類を備えて。

納得はしているけど、寂しくて寂しくて、何度も泣いた。



言っていなかったけれど、銀次郎が旅立ってしまった時、わたしはもう吹雪を最後のハムスターにしようと思った。
そこから今日まで過ごしてきました。

2013年の希助に始まり、私のハムライフはそこから数年続き、最後に迎えた栗丸とは約3年という長い日々を濃く過ごして、2021年に、そこで一旦終わりを迎えました。
そしてその時、またいつかハムスターを迎える際には、例えば数年後自分に子供とかが居て、機会があればのこと、と考えていました。

だけどその後、当時想定していたのとは違う形で私の環境や心境が変わり、去年・2024年になってぼんやりとまたハムスターと暮らすことを考え始めて。
栗丸のあとだもの、それはそれはもう特別な思いがあって、種類も名前も決めてあって、新しい子を迎える計画をしていた。

でも数奇な運命があって、私は銀次郎と吹雪を迎えました。

1歳越えの子を迎えた経験がなく、全然予定と異なり、しかも2ハムとか、本当に衝撃的な出会いとしか言いようがないのだけれど、運命であったと思う。
売れ残りふたり、どれくらい一緒にいられるか分からないけど、とにかく残りのハム生を楽しく幸せに過ごしてもらいたいと願った。

元居た環境が環境だったからアレだけど、銀次郎も吹雪も、きっとうちに来て幸せは感じてくれただろうと思う。
広くなった自分だけの空間、静かな環境、安心して寝られる巣箱、いつまでも走り続けられるホイール、気持ちのよい砂場。
銀次郎の砂の気に入りようったら。野良寝・野良ションがちだった吹雪だって、もう気づけばすっかり巣箱が寝床、トイレもしっかり覚えちゃって文化的になってさ。
もちろん、100%正解の飼育が出来たとは思っていない。
銀次郎も吹雪も、「たられば」はある。

でも、妙な勝手な満足感かもしれないけれど、ふたりが暮らしを気に入っているのを見ると、私はとても癒されました。
暮らしにハムスターがいる幸せも、改めて噛み締めた一年でした。
昔と違い家で仕事をするようになっていたので、なんというか、けっこうずっと見ていた。
(いやちゃんと働いてはいましたよ!)
想像していたよりずっと、私たちは近い距離で濃密にこの一年を過ごすことになりました。
本当にねえ、この一年、すごく幸せだったの。楽しかったの。

でも、だからかな。短すぎたかな?近すぎたかな。
それともハム暮らしの経験からかな。歳を喰ったからかな。分からないけど。

1月に銀次郎が旅立ってしまった時、その別れには納得も理解もすんなりしているのに、急変からすごくヒリヒリした心の痛みがあって、なんというか一言「耐え難い」と思ったんですよね。

家にずっといる=近く長く一緒に居すぎるせい?
昔より対応のノウハウや知見があって色々やるせい?なのに力が及ばない無力感?
分からないけど、銀次郎が年末から深刻な状態になった時、まあものすごくメンタルがやられた。
なんだろう。大人になって涙もろくなるのと一緒だろうか。昔味わったハムとの別れと、全然違うやつ。

頭でわかっているけどどうしようもない変な辛さがあって、あの時わたしは「あれ、なんでかな、昔より分かっているのにに、この辛い状況が耐え難いな」と思った。
そうしてすごくシンプルに、ハムスターとの暮らしは本当に改めて素敵な日々だけど、なんでだ、前よりそれがなくなるのが辛い、私はもう今後それを喪う辛さを味わいたくないと思ったんです。

そして銀次郎が旅立ってしまって。受け入れはした。納得もすぐ。
でもすごくすごく寂しくて。ああ耐え難い。だけど吹雪ちゃんが居たから耐えられた。

そうして1月からは吹雪と過ごしてきて…歴代ハムの中でもダントツ1位の通院回数と、また特別な関わりもしてきて。
世話の頻度や密度が濃ければ、その分どうしても繋がりも深くなる。
めちゃめちゃ大切な存在になっていて、誰にも言っていなかったけど、もう吹雪が最後なので、どうか少しでも一緒にいられる日々が長く続けばいいと願っていました。銀次郎の分も託していたのもある。(重荷…!)

漠然と感じる別れも全然分かっていて、理解はしていたんだけどね。
2歳は到達した、でも少なくとももう1年は相当難しいだろう、今年のいずれかのタイミングでその時がきてしまうかもしれない、と冷静に悟って理解していた。でもその日、来て欲しくなかった。

そういうのが心の奥で渦巻いていて、でもいざ今回吹雪が全然食べなくなった日、それは急で、私の身勝手なこの欲はめちゃめちゃこの事態に悲鳴をあげていた。いやだ、と。
銀次郎の時にも感じたあのヒリヒリしたやつが帰ってきて、分かるんだけどしょうがないんだけど、辛かった。
そんで改めてまた思った、ああ、やっぱりハムが大切になりすぎるので、何かあると私はとても辛くなり、しかもそれを何でか前より耐えられない。
なんかもう食事は喉を通らないし吐きそうになるし下痢もした。辛すぎてめっちゃ身体に出ている…。もう私にハムスター、向いていないなあ。吹雪ちゃんで本当に最後だ。

どうだろ、逆に銀次郎と吹雪だったからなのかなあ。
ふたりの半生しか見てこられなかったのが悔しいんだろうか。足りないのだろうか。もっと欲しかったのだろうか。
途中で引き剥がされるかのような感覚?わからない。
でもベビハムだったら銀次郎と吹雪は迎えてないんだよなあ。

とにかく、銀次郎も吹雪もいなくなってしまうかも、となった時キツかった。

だけどそれは私個人のもので、本ハムの方が辛いわけで。
そんな中で今回、吹雪が最後に私にくれた優しい時間は、私をあやしてくれたように思います。
だからきちんと見送ってあげられた。やだやだまだ行かないで、て縋るんじゃなくて、大丈夫だよ、と送ってあげられた。

おかげで今、寂しいけれど、落ち着いてはいるんです。
涙溢れるけどさ。よかったって思う。

吹雪の世話は歴代でみても大変な方だった。なにせ10日に一度の病院だし、日に4回の食事の用意。
1日は24時間だからなるべく6時間感覚で替えてあげたいと思うと、特に体重減がどんどん酷くなるここ数ヶ月では、一度ベッドに入ってから一旦起きて食事を替えて、という感じにもなっていた。
でもそんなのは厭わなかった。構わなかった。
まだまだ続いてよかった。

でもさ。吹雪、これで解放もされたわけじゃん。
今頃はお空でみんなに会ってさ、きっともう歯も元通りでさ、銀次郎と久しぶりに再会して、銀次郎だってもうフサフサで、多分楽しくやってると思うのです。

だから私はもっと先の別れが良かったけど、きっとこの日だったのだろうとも思う。
本当に改めて、吹雪はじゅうぶん頑張ってきたし、最後も頑張りすぎたし優しすぎた。
私はその愛情を受け取って、良かったことにして、また明日からはハムスターがいない日々に戻るけれど、まあまだ全然泣くんだけど、ゆっくり休んで、思い出を糧に新しく進もうと思います。

これまであんまり当日にこんなにすぐ長く書くことはなかったような気もするけど…
なんか今回、すぐ書き留めておきたくなって。
この数日の緊迫した事情もあって睡眠もろくじゃないので、ちょっと文章おかしいかもしれませんね。
よく寝た後で、そのうち加筆修正するかもしれません;

これまで、吹雪を可愛がっていただきありがとうございました。
ご覧いただいている方の中にはもう本当、遡れば10年以上私のハムライフを追ってくださっている方もおられ、銀次郎と吹雪を迎えてからこの一年を、新章みたいな形で見守ってくれた方も多いと思います。本当に、ありがとうございました。

吹雪が旅立った今、私のハムライフは再び閉じることになります。
人の気持ちは変わるので、今後ハムライフを再開することが一生ないとは言えないけれど…!
銀次郎と吹雪がくれたこの一年の宝で、今はいっぱいで。
これまでの宝物たちと合わせて満ちているので、しばらくはこのキラキラを眺め思い馳せながら、生きていこうと思います。
そうしてまた数年経って、万が一再びわたしが小さなモフモフを迎えることがあれば、その時はまた見守っていただければ幸いです。

吹雪、おやすみ。
またいつか会えるその時まで、みんなで待っていてね。

2025.6.1 ぼんぼり

COMMENT LIST

  • アリクイちゃん より:

    ブログ拝読させて頂きました。
    栗丸ちゃんの時から追っているので、銀次郎ちゃん、吹雪ちゃんのブログは全て読ませていただいています。毎回素敵な内容で写真のハムたちの表情もかわいくて癒しをいただいています、ありがとうございます。
    以前ハムスターを買っていたことがあり、今でも好きな動物ではあるのですが、現在は飼えていません。
    栗丸ちゃんの前にもたくさんハムスターを飼っていらしたぼんぼりさんの経験からくるものもあるか思いますが、ハムスターに対しての考え方・接し方がとても素敵だなとブログを読むたびに思っています。
    こんなにぼんぼりさんに大切にしてもらって、銀次郎ちゃんも吹雪ちゃんもとても幸せなハム生だったに違いありません。(歴代ハムズたちも全員幸せだったと思いますが)きっと、ぼんぼりさんに会うためにショップで待っていてくれたのかもしれませんね。
    忙しくも幸せだった日々が急に途切れてしまい、喪失感が強いと思います。濃密に接していた分、気の落ち込みはどうしてもあるかとおもいますが、気温の高低差も激しいのでどうかご自愛ください。
    銀次郎ちゃん、吹雪ちゃんの可愛い御姿をたくさん載せてくださりありがとうございました。こちらまで幸せを分けてもらっていました。

    ぼんぼりさんの1ファンより

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